「フィットネスクラブのフランチャイズ」と聞いて思い浮かぶのは、大手の総合型クラブかもしれません。しかし、店舗数0〜20の成長期の本部が募集しているのは、24時間営業のセルフ型ジム、女性専用の無人型サロン、1回30分のサーキット型といった、小さな床面積で少人数(またはゼロ人)で回す業態です。プール付きの大型クラブとは、必要な資金も日々の仕事もまったく違います。
この記事では、フィットネスクラブのフランチャイズを業態別に整理し、開業資金がどこにかかるのか、ロイヤリティの設計はどう違うのかを解説したうえで、当メディア掲載本部の公式サイトに実際に書かれている条件を紹介します。金額はすべて各本部の公式サイトに書かれているものだけで、推測は入れていません。
フィットネスクラブのフランチャイズは3つの型に分かれる
1. 24時間セルフ型ジム
マシンを置いた店舗に会員がスマートロックや静脈認証で入退室し、スタッフは常駐しないか最小限にする型です。月会費は3,980円〜4,980円(税別)程度の低価格帯が中心で、会員数で売上を積み上げます。当メディア掲載本部では、月会費4,980円(税別)〜で直営・FC合計60店舗を展開する本部と、沖縄で女性・初心者専用の24時間ジムを5店舗展開する本部(月3,980円〜、スマートロックで受付不要)がこの型です。
2. 女性専用の無人型サロン
個室ブースにスマートミラーを置き、ヨガ・ピラティス・ボクシングエクササイズなどの動画コンテンツで運動するとともに、よもぎ蒸しやセルフケア美容機器を使い放題にする「フィットネス×美容」の型です。当メディア掲載の1社は、スマートミラーが受付・トレーナー・エステアドバイザーの役割を担うことで無人運営を可能にし、「郊外特化のロードサイドテナントで家賃を抑える」「アルバイト1名のみでの運営で人件費を抑える」と公式サイトに書いています。ジムというより、フィットネス人口でない層を狙う美容サロンに近い設計です。
3. 30分サーキット型(キックボクササイズ)
1回30分で完結するプログラムを、トレーナーが付いて回す型です。米国発のブランドを日本で展開する当メディア掲載の1社は、フィットネス業未経験でも開業・販促・運営を本部が支援するとしています。無人型と違い人が付く分、人件費はかかりますが、単価は高くなります。
開業資金はマシン・内装・セキュリティに集中する
ジムの開業資金は、飲食店の厨房に相当する「トレーニングマシン」と、24時間営業を成り立たせる「入退室管理・防犯」に集中します。
当メディア掲載本部が公式サイトで公開している数字を挙げると、サーキット型の1社は「FC加盟費、設備費、基本工事費含んで総額約1,650万円(物件取得費除く)」とし、物件によっては1,200万円前後で開業できる場合もあるとしています。24時間セルフ型の1社は加盟金の額自体は公開していませんが、加盟の流れとして「加盟申込金15万円(税抜)」「企画設計料100万円(税抜)」を明記し、レイアウト完了からジムマシンの納品までに3か月半を要するとしています。
つまりジムは、加盟金より設備費と工事費のほうがはるかに大きい業態です。加盟金が非公開の本部が多いのもこのためで、比較するなら「加盟金がいくらか」ではなく「マシン・内装・セキュリティを含めた総額と、その内訳が公開されているか」を見てください。
24時間営業のジムには、防犯カメラの常時録画と警備会社との契約が必要です。当メディア掲載の1社は「静脈認証システム、24時間の防犯カメラ録画、ALSOKとの警備契約」を導入していると公式サイトに書いています。これらは月額の固定費として残るので、開業資金と別に確認してください。
ロイヤリティは「固定額制」と「歩合制」がある
ジムのロイヤリティは月額固定が多く、売上歩合の本部もあります。当メディア掲載の1社は、公式サイトで「小規模フィットネスのロイヤリティ相場を固定額制で月約22万〜35万円、売上歩合制で約10〜15%」と本部自身が説明したうえで、自社は「ロイヤリティ、本部販促費、各種システム利用料込みで、約18万円/月」としています。
固定額制は会員が増えても本部への支払いが変わらないため、会員数が損益分岐を超えたあとは利益が残りやすい設計です。逆に開業直後の会員が少ない時期も同額がかかります。歩合制はその逆で、立ち上げ期は軽く、伸びると重くなります。ジムは会員の積み上げに数か月かかる業態なので、開業から6か月間の会員数の見込みと、固定ロイヤリティの合計を並べて計算してください。
公式サイトで条件を公開している本部の実例
当メディア掲載のジム・フィットネス本部4社について、公式サイトに書かれている条件を並べます。金額・条件はいずれも公式サイトの記載で、確認日は各ブランドページに明記しています。
| 本部(業態) | 店舗数 | 加盟金 | ロイヤリティ | 開業資金の目安 | 公式サイトの記載 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30分サーキット型キックボクササイズ | 国内15店舗 | 非公開(総額に含む) | 月約18万円(本部販促費・システム利用料込み) | 総額約1,650万円(物件取得費除く)、物件により1,200万円前後 | 「フィットネス業未経験でも大丈夫!」 |
| 24時間セルフ型ジム(月会費4,980円税別〜) | 直営・FC60店舗 | 非公開 | 非公開 | 非公開(加盟申込金15万円・企画設計料100万円、いずれも税抜) | 「ドミナント出店」「ローコスト出店/ローコスト運営」、研修10日間 |
| 女性専用・無人型フィットネス×美容 | 10店舗 | 非公開 | 非公開 | 非公開 | 「アルバイト1名のみでの運営で人件費を抑える」、全店舗が初月単月黒字(本部公表) |
| 女性・初心者専用の24時間ジム(沖縄) | 5店舗 | 非公開(公式サイトにFC募集ページなし) | 非公開 | 非公開 | 「24時間通い放題 月3,980円〜」、会員の90%以上が初心者 |
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4社のうち、金額を公式サイトに書いているのは2社だけです。ジムのフランチャイズは公開度が低い業種で、資料請求や説明会で初めて金額が出る本部が大半です。詳細はジム・フィットネスの比較ページで確認できます。無人型の本部は無人販売・無人店舗の比較ページにも並べています。
加盟前に確認すべき5点
- 開業総額の内訳。 マシン・内装・工事・セキュリティ・システムのどこまでが「総額」に含まれ、物件取得費は含まれるか。公式サイトに「物件取得費除く」と書いている本部があります。
- マシンの調達方法。 本部指定のマシンを購入するのか、リースか。納品までの期間(当メディア掲載本部では「3か月半」の記載あり)は開業スケジュールに直結します。
- ロイヤリティに何が含まれるか。 本部販促費やシステム利用料が込みの本部と、別建ての本部があります。「約18万円/月」と「22万〜35万円」を比べるときは、含まれる項目を揃えてください。
- 会員規約と中途解約の設計。 月額会員制は解約・休会のルールでトラブルが起きやすい業態です。会員規約の雛形を本部が用意しているか、解約時の返金ルールが決まっているかを確認してください。
- 商圏の重なり。 24時間セルフ型は「相互利用できる店舗数を確保して商圏シェアを高めるドミナント出店」を戦略に掲げる本部があります。自店の近くに同じ本部の店が出る可能性と、テリトリーの取り決めを契約書で確認してください(テリトリー制の解説)。
まとめ
- 店舗数0〜20の本部が募集するフィットネスクラブのFCは、24時間セルフ型・女性専用無人型・30分サーキット型の3つ。総合型クラブとは資金も運営も別物
- 開業資金はマシン・内装・セキュリティに集中し、加盟金より設備費のほうが大きい。公式サイトに「総額約1,650万円(物件取得費除く)」「企画設計料100万円」などの記載がある
- ロイヤリティは固定額制が多く、本部自身が「固定額制で月約22万〜35万円、歩合制で約10〜15%」を相場として説明している例がある
- 4社中、金額を公開しているのは2社。資料請求前に比較ページで公開されている範囲を確認し、説明会では「総額の内訳」「ロイヤリティに含まれる項目」「会員規約」「テリトリー」を聞く